2026.08.10
うまくいかない時こそ
SlimClub人生には、上がったり下がったりする波があります。
何をしてもうまくいく時期があるかと思えば、なぜかやる気が出ない、体調がすぐれない、人との別れが続く、同じような嫌なことが何度も起こる……そんなふうに、ひとつの出来事をきっかけに、悪いことが重なっているように感じる時もあります。
「どうしてこんなことばかり起こるんだろう」と焦ったり、「自分の何がいけないんだろう」と自分を責めたくなったりするものですよね。でも、そんな時期を、ただ「運が悪い」と捉える必要はないのかもしれません。
心理学には、逆境や大きな出来事を経験したあとに、人生に対する見方が変わったり、人とのつながりをより大切に感じるようになったり、自分の強さに気づいたりする「心的外傷後成長(Post-Traumatic Growth)」という考え方があります。
もちろん、つらい経験をすれば必ず人が成長するわけではありません。苦しい時は、苦しいままでいい。それでも研究では、逆境を経験した人の中に、そこから新しい価値観や人生の意味を見いだしていく人がいることが分かっています。
だからこそ、何もかもうまくいかない時は、「早く抜け出さなければ」と必死になるよりも、いったん力を抜いてみることも大切なのだと思います。うまくいかないことに抵抗し続けていると、心も体も疲れてしまいます。
「今はこういう時期なのかもしれない」そう思って、できることだけをしながら、少し立ち止まってみる。それは、あきらめることではありません。むしろ、今の自分に必要のないものを手放し、これからの自分に必要なものを見つけるための時間なのかもしれません。
秋になると、木々は葉を落としますが、一見すると、何かを失っているようにも見えるかもしれません。その葉は土に還り、やがて次の季節の成長を支える養分になるのです。
人生も、それに少し似ているのではないでしょうか。うまくいかなかったこと、終わってしまったこと、思い通りにならなかったこと。その時は「失ったもの」にしか見えなくても、時間が経って振り返ると、それが自分の考え方を変えたり、新しい選択をするきっかけになっていたりすることがあります。
逆境を経験しても、そこから適応し、回復していく力をレジリエンスというのですが、近年の研究では、この力は生まれ持った性質だけではなく、人とのつながりや自分自身への見方、セルフコントロールなど、さまざまな要素によって支えられていることが分かっています。
だから、今もし「何をやってもうまくいかない」と感じているなら、無理に前向きにならなくても大丈夫。焦らず、少しずつ、今の自分に必要のないものを手放していく。すると、ある時ふと、また人生が動き始める瞬間がやってくるのかもしれません。
振り返った時に、「あの時は本当に大変だった。でも、あの経験があったから今の自分がいる」そう思える日が来ることがあります。
人生が大きく変わる時は、いつも何かがうまくいっている時とは限りません。むしろ、思い通りにならない時、立ち止まった時、何かを手放さなければならなくなった時に、これまでとは違う方向へ進み始めることもあります。
だから今、少し苦しい時期にいる人へ。
無理に抗わなくても大丈夫。葉を落とす季節にも、ちゃんと意味があります。手放すことは、終わることではなく、次の季節を迎えるための準備。そう思えると、今うまくいかないことも、少し違った景色に見えてくるかもしれません。



