2026.08.18
自分にかける言葉
ブログ先日のWEBセミナーで、「セルフコンパッション」についての説明がありました。セルフコンパッションとは、つらい時や失敗した時に自分を責めるのではなく、親しい人に接するような思いやりを、自分自身にも向けることです。
その考え方は、「自分への優しさ」「共通の人間性」「マインドフルネス」という三つの要素から成り立っています。苦しんでいる自分に温かな言葉をかけること。そして、「失敗や悩みは誰にでもある」と理解し、感情に飲み込まれるのではなく、今、自分に何が起きているのかを落ち着いて見つめることを意味します。
研究では、セルフコンパッションが高い人ほど、不安やストレス、抑うつが少なく、ウェルビーイングが高い傾向にあることが示されています。つまり、自分を甘やかすことではなく、気持ちを整えながら「では、次に何ができるだろう」と考えられる、柔軟な心の姿勢ともいえます。
人はストレスを感じた時、問題を解決しようとしたり、気持ちを切り替えたり、時にはその状況から少し距離を取ったりしながら、なんとか対処しようとします。こうした行動は「ストレスコーピング」と呼ばれています。
日本の研究でも、セルフコンパッションは、起きた出来事を別の角度から捉え直すようなコーピングを促し、その結果としてウェルビーイングを高めることにつながるとされています。
自分への思いやりがあると、心に少し余裕が生まれます。その余裕があるからこそ、「この経験から何を学べるだろう」「次はどうすればいいだろう」と、出来事を柔軟に捉え直すことができるのかもしれません。
つらい時は、目の前の出来事に飲み込まれてしまいがちです。そんな時こそ、まずは「今、私は苦しいと感じている」と、自分の状態に気づいてあげること。そして、「こんな気持ちになることは、誰にでもある」と言葉にしてみる。
そのうえで、「よく頑張っているよ」「今できることを、一つずつやっていこう」と、自分に優しく声をかけてみるのです。ストレスそのものを、いつもなくせるとは限りません。でも、ストレスをどう捉え、どう付き合っていくかは、自分で変えていくことができます。
失敗した時や思うようにいかない時、私たちはつい自分に厳しい言葉をかけてしまいます。でも、その言葉が自分を立ち上がらせるとは限りません。
自分を責める言葉を、自分を支える言葉に変えてみる。
その小さな習慣が、心の回復力を育て、また前を向くための力になっていくのだと思います。自分に優しくすることは、立ち止まることではなく、もう一度歩き出すための心の準備なのかもしれません。



