2025.09.28
ネガティブを抱きしめて、心を強くする
ブログ40代、50代、60代の女性にとって、悩みは決して少なくありません。健康のこと、老後のこと、家族のこと、そして自分自身のこれから。胸の奥で静かに揺れ続ける思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。
けれど、悩みがあること自体は悪いことではありません。むしろ人間の脳の仕組みからすれば自然なことで、生存本能の表れでもあるのです。
脳は良いことより悪いことを強く記憶しやすい特徴があり、心理学ではこれを「ネガティビティ・バイアス」と呼びます。つまり、良い出来事には偏りにくく、悪い出来事に偏りやすい。それは危険を避けて生き延びるために必要な機能だったわけです。
99の良いことがあっても、たった1つの嫌な出来事で気分がすっかり沈んでしまう。そんな経験は誰にでもあるでしょう。そのときは「これは脳の生存本能なんだな」と軽くつぶやいてみてもいいかもしれません。大切なのは、自分のネガティブな感情を否定せず、まずは受け止めることです。
実際に40〜60代の女性が抱えやすい悩みには、更年期や体力の低下といった健康の不安、老後の生活や仕事の継続、夫婦関係のすれ違い、子どもの自立や将来、そして親の介護などが挙げられます。聞くだけで胸がいっぱいになるようなテーマですが、これらは人生を次の段階へ進めるための大切な通過点でもあります。
研究によれば、適度なストレスや悩みは「レジリエンス(回復力)」を育むことがわかっています。筋肉が負荷をかけることで強くなるように、心も悩みを通して柔らかさと強さを身につけていく。そう考えると、悩みを抱えることは「まだ成長できる証拠」なのです。
では、実際にどう悩みと向き合えばいいのでしょう。たとえば頭の中のモヤモヤを書き出すだけでも脳の負担は軽くなり、客観的に眺められるようになります。言葉にして吐き出すことで感情が整理され、気持ちが落ち着いていくのです。
悩みは歓迎したいものではありませんが、長い目で見れば人を成長させる力を持っています。楽しい経験や勉強から得る成長もありますが、悩みを乗り越えたり見方を変えたりしたときの成長は、もっと大きな飛躍につながることもあるのです。そう思えたとき、少し心が軽くなるかもしれません。



