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2025.06.28

脳を整えると、心が軽くなる理由

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私たちは毎日、無数の情報や感情に触れながら生活しています。SNSの画面をなんとなく眺めているうちに、あまり興味のなかった話題にまで引き込まれて、気づけば検索を繰り返していたり、たいして意味のない動画を延々と見続けてしまったり。終わった後で「こんなに時間を使うつもりじゃなかったのに」と思っても、なぜかやめられない。そんな体験を誰もがしているはずです。

この背景には、人間の脳が持つ「選択的注意」という働きが関係しています。脳内には「RAS(Reticular Activating System=網様体賦活系)」と呼ばれるシステムがあり、私たちが「これは重要だ」と認識した情報だけを選んで、意識に届けるフィルターのような役割を担っています。たとえば「赤い服が欲しい」と思った瞬間から、街を歩いていても赤い服ばかりが目に入るようになるのは、このRASが働いているからです。

つまり、私たちがどこに意識を向けるかで、見える世界そのものが変わっていくのです。マイナスな情報ばかりに意識を向けていると、脳は「これは重要だ」と判断し、それに関連する不安や怒り、恐れの感情にどんどん反応するようになります。逆に、心が安らぐもの、美しいもの、人の温かさや小さな喜びに意識を向けていけば、脳はそれらを優先的に拾い上げるようになります。

現代は、情報があふれ、ネガティブなニュースや感情的な投稿が日常的に流れてきます。それらすべてを遮断することはできませんが、自分が「どの情報に反応するか」は選べます。負の影響を受けないというのは、すべてをシャットアウトするということではなく、自分の意識のチューニングを変えるということです。これは、脳の神経可塑性――つまり、脳が経験や意識の使い方によって変化する性質――にも裏づけられています。

人の優しさに気づく、自分にかける言葉を少し丁寧にする、美しい光景を味わう、そんな小さなことに意識を向け続けると、脳の回路はその情報に敏感になり、やがて「日常の中にある穏やかさ」や「自分への信頼」が当たり前のように見えるようになります。

意識をどこに向けるか。それは、日々の選択であり、脳と心のトレーニングでもあります。私たちは、自分の脳の使い方ひとつで、世界を今より優しく、そして安心できる場所へと変えていけるのです。


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