2025.07.05
毎日の“ひと笑い”が免疫力を育てる
ブログ「よく笑う人は病気になりにくい」「笑いは副作用のない妙薬」など、昔から笑いと健康は深く関係しているといわれてきました。最近では、医学の分野でもその効果が注目され、科学的にもさまざまなことが明らかになってきています。
たとえば、私たちの体には「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」という免疫細胞がいて、がん細胞やウイルスなどを退治する働きをしてくれています。このNK細胞は、笑うことで活性化することがわかっており、その結果、免疫力が高まって病気の予防や改善につながるといわれているのです。
年齢を重ねるにつれて、人と会う機会が減ったり、家にこもる時間が長くなったりすると、どうしても笑うことが少なくなりがちです。ちょっとした悩みや不安が心にたまってしまって、気づけば笑顔を忘れていた……そんなふうに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、笑顔が減ると気持ちもふさぎがちになり、それが長く続くと、食欲が落ちたり、筋力が弱くなったり、認知機能にも影響が出ることがあるそうです。
実際に、名古屋大学大学院の研究では、介護を受けていない高齢者約1万4000人を3年間にわたって追跡調査した結果、「ほぼ毎日笑う」人に比べて「ほとんど笑わない」人は、介護が必要になるリスクが1.4倍も高いという結果が出ています。
他にも、「笑う頻度が少ない人は、認知機能が低下するリスクが2倍以上になる」といった研究(大阪大学大学院)や、「脳卒中や心疾患のリスクが高くなる」といった報告(東京大学大学院)もあり、笑いが心と体に与える影響の大きさが、さまざまな形で明らかにされています。
驚くことに、健康な人の体でも1日に3000~5000個ものがん細胞が生まれているといわれています。それでも私たちが病気にならずにいられるのは、体の中に備わっている免疫の働きがしっかりと機能してくれているから。そしてその大切な免疫を支えているNK細胞が、笑うことで元気になるというのは、とても心強いことですよね。
笑うと、脳の「間脳」という部分が刺激されて、善玉の情報伝達物質が分泌されます。その物質がNK細胞の働きを活発にしてくれるので、結果として免疫力が高まる、という流れがあるのです。逆に、ストレスや悲しみが続くと、この働きは鈍くなってしまいます。
さらに、笑うことには、心を穏やかにしてくれる作用もあります。不安やストレスを和らげる「ドーパミン」、痛みを和らげる「エンドルフィン」、気分を明るくする「セロトニン」、そして安心感や親しみを生む「オキシトシン」など、笑うことで分泌される脳内ホルモンは、心にも体にもたくさんの良い影響を与えてくれるのです。
「今日はどれくらい笑ったかな?」と、ふと振り返ってみるだけでも、自分の心と体を大切にするきっかけになるかもしれません。小さなことでも、思わず笑ってしまうような瞬間を大切にして、毎日を少しずつ明るく整えていけたらいいですね。



