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2026.02.14

脳の仕組みを味方にー習慣のつくり方ー

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私たちの脳は、「しない」よりも「する」を実行するほうが得意です。何かを抑え込むよりも、何かを行うほうが、はるかにエネルギー効率がいい構造をしているからです。だからこそ、改善計画を立てるときには、「やめること」ではなく「やること」に焦点を当てるほうが現実的で、続きやすいのです。

たとえば、お酒をやめようとしている人が「断酒」という言葉を見ると、脳内ではまず「飲酒」というイメージが活性化します。タバコをやめたい人が「禁煙」という文字を見ると、「喫煙」の情景が思い浮かぶ。これは意志が弱いからではありません。脳が言葉を処理する仕組みの問題です。私たちの脳は否定形を直接処理するのが苦手で、まず内容をイメージし、その後に否定する、という二段階を踏みます。

心理学ではこれを「抑制の逆説的効果」と呼びます。有名な実験に「白熊のことを考えないでください」というものがありますが、そう言われるほど白熊のことが頭に浮かんでしまう。思考を抑え込もうとすると、前頭前野がその対象を監視し続けるため、結果的に意識に上がりやすくなるのです。

さらに最近の脳科学では、習慣の多くが前頭前野の「意志」ではなく、基底核と呼ばれる領域に蓄積された自動プログラムによって動いていることがわかっています。一度できあがった習慣は、否定するよりも「上書き」するほうが現実的です。つまり、「やめる」よりも「置き換える」ほうがうまくいくということ。

「夜にお酒を飲まない」と決めるよりも、「夜は炭酸水を飲む」と決める。「余計なことを言わない」よりも、「相手の話を最後まで聞いてから一言返す」と決める。このように具体的な行動を設計すると、脳は実行モードに入りやすくなります。

また、使った回路は強化され、使わない回路は弱まる「可塑性」と呼ばれる性質があります。注意とエネルギーを向けた方向に神経回路は太くなっていく。だから「しない」を監視し続けるより、「する」に集中したほうが、自然に行動が変わっていくのです。

自然の摂理はとてもシンプル。力を注いだほうが育っていく。もし本気で変わりたいなら、「やめることリスト」ではなく「やることリスト」をつくるといいですね。具体的に、そして今日からすぐ実行する。脳はその積み重ねを、確実に回路として刻んでいきます。


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