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2025.10.05

心のバイアスをほどく

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私たちは毎日、驚くほどたくさんの判断をしています。何を食べるか、誰と話すか、どの情報を信じるか。そのどれもが「自分の意思」で決めているように感じますが、実はその多くが「思い込み」や「バイアス」と呼ばれる心のクセによって影響を受けています。

バイアスという言葉は、心理学では「判断の偏り」を意味します。人はすべての情報を公平に処理できるわけではなく、無意識のうちに自分に都合のいい部分だけを拾い、合わない部分は見落としてしまいます。

たとえば、「あの人はいつも遅刻する」と思っていると、一度の遅刻が強く記憶に残り、時間通りに来た日のことは印象に残らなかったりします。これは「確証バイアス」と呼ばれ、自分の信じたい考えを裏づける情報ばかりを集めてしまう現象です。

また、「私は人と距離をとってしまう」「あの人はきっと冷たい」と感じるとき、それが事実というよりも、自分の中にある過去の経験や不安が映し出されていることがあります。

私たちの脳は、安心を保つために、知っているパターンを使って世界を理解しようとします。けれどその働きが強くなると、実際よりも狭い視野の中で物事を見てしまうことがあるのです。

思い込みが悪いわけではありません。むしろ、人間が複雑な世界を素早く理解しようとするための自然な仕組みでもあります。問題は、それに気づかないまま判断や行動を続けてしまうこと。

思い込みやバイアスを和らげるには、まず「自分にもある」と認めることから始まります。そして、何かを決めるときや誰かを評価するとき、「本当にそうだろうか」と一度立ち止まってみるといいでしょう。

もし反対の立場だったらどう感じるか、別の可能性はないかを考えてみる。それだけで、見えてくる世界が少しずつ広がります。

自分の心のクセに気づき、柔軟に物事を見られるようになると、人との関わりも穏やかになります。相手を決めつけず、違いを受け入れながら話せるようになるのから。

思い込みに気づくことは、自分を責めることではなく自分の見方を自由にしていくと。バイアスは敵ではなく、自分を理解するための入り口なのだ、ということに気づけるのではないでしょうか。


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